教育実践発表大会で絶賛された学級経営術 ― コミュニケーションが苦手な子の通常学級での支援

個別対応

はじめに

あなたのクラスに

自分の思いを言葉で表現できない子

なかなか友達と関われない子

がいたら、どう対応していますか?

声をかけても

返事が返ってこない。

やり方がわからなくても、

「わからないから教えて」

助けを求められない。

そんな姿を見ると、

どう支援すればいいのだろう

と悩んでしまいますよね。

私のクラスにも、そんなAくんがいました。

小規模校からやってきたAくん。

問いかけてもすぐに答えない

5〜6回問いかけてようやく

うなずくだけ。

慣れた先生や好きな話題なら

少し答えられるけど、

道徳や学活で

自分の意見を書いたり言うのは

全くできない。

新しい作業が始まると動き出せず

周りのサポートを待つしかない…。

そんな状態でした。

保護者の方も、

中学校でいじめられるかもしれない…

そんな不安を抱えながら

通わせていました。

誰一人取り残さないために

私は

このままでは、Aが

クラスに居場所を見つけられない

と感じました。

そこで大切にしたのは、

“本人の思いを大切にすること”

“クラス全体で支える仕組みをつくること”

そのために意識したのが、

次の5つのステップです。

  1. 本人と保護者の思いを聞く
  2. その思いをクラスで共有する
  3. クラスの子と一緒にサポート体制を作る
  4. できそうな部分を鍛える
  5. 小さな成長をみんなで喜ぶ

「Aのせいで練習にならない」

1年生の体育大会。

4人5脚や大縄跳びで

Aはうまく動けず、

チームメイトの不満が爆発しました。

Aくんが全然できません。

 このチーム終わりです。

もう無理です。チーム変えたい。

練習の雰囲気は悪く、

私もどうすればいいのか悩みました。

仲間と一緒に壁を乗り越える

そのとき生活ノートに、

Aはこう書いていました。

「縄を回すのが難しかった。跳んでる時が楽しい。縄を回す練習します。」

この文章を読んで、

私はHRでこう伝えました。

「これがクラスで迎える初めての壁だね。Aは本当は跳びたい気持ちを抑えて、

 一人で縄を回す練習をしている。だから、俺たちにできることを頑張ろう。」

次の日から、

クラスの子どもたちの言葉が

変わり始めました。

協力して記録を伸ばしたい。

Aくん、こっち!

不満ばかりだった声が、

少しずつ支える声に

変わっていったのです。

クラス全体で喜んだ成長

最初は2回しか跳べなかった大縄が

30回を超えるようになりました。

「Aくん、回すの上手になったね!」

そう声をかけられるようになり、

Aの表情も明るくなっていきました。

本番を終え、子どもの感想を見ていると

Aとの関わりを通して、

周りの生徒の気持ちが

徐々に変化していったことがわかりました。

A本人は、以下のように振り返っていました。

大縄跳びは、初めは回すことも跳ぶことも苦手でうまく回せなかったり跳ぶことができなかったりしました。毎日練習することで自分が回す係になりました。回すことは初めは大変でしたが、BさんとCさんがいつも縄の回し方や持ち方を教えてくれました。だんだんみんなが跳べる回数が増えて嬉しかったです。時にはみんなから「大きく回して」や「足広げて」と言われることがありました。頑張ると思った。予行練習の時に48回みんなが飛べてすごく嬉しかったです。本番では入場前にBさんが一緒に回す練習をしてくれました。Cさんが縄の準備をしてくれました。「大丈夫だよ」と言われました。最後も頑張ろうと思った。頑張って44回みんなが跳べました。みんながいたから頑張れました。

クラスメイトに、時には

厳しいことを言われながらも、

Aは自分が上手になっていくことや

周りのメンバーが自分を助けてくれたことに

喜びを感じていたことがわかりました。

学活の時間に、

Aのチームメイトの感想や

Aの感想を紹介した時、

Aの感想に出てきたBやCは

嬉しそうに聞いていたり、

中には目に涙を浮かべる生徒もいました。

2年生の時には

跳びたい」と私に意思を伝え

連休中に毎日縄跳びの練習をしてきました。

クラスのみんなは

Aが跳びたいなら支えよう

と声を合わせ、

手をつないで、

抱えて、

一緒に跳びました。

みんながサポートしてくれて嬉しかった

とAが言ったとき、

クラス全体が温かい拍手に包まれました。

「対等な仲間」になっていく

3年生の時には

特定の子だけでなく

男女問わず多くの子が

Aを支えるようになりました。

ソーラン節の取り組みでは

旗を振る係にも挑戦し

苦戦しながらも練習を重ね、

本番でやり切る姿を見せてくれました。

「教室が好き」

Aがそう言えるようになったのは、

クラス全員で作り上げた

支援の積み重ねがあったからです。

先生ができる支援の5ステップ

この経験から学んだことはシンプルです。

  1. 本人と保護者の思いを聞く
    →「やりたい」「挑戦したい」という本音を聞き取ることが出発点。
  2. その思いをクラスで共有する
    →先生だけで抱え込まず、クラスみんなに伝えて協力を促す。
  3. クラスの子と一緒にサポート体制を作る
    →「先生が支える」ではなく「クラス全体で支える」仕組みにする。
  4. できそうな部分を鍛える
    →小さなステップを積み上げる。練習の工夫や役割分担が鍵。
  5. 小さな成長をみんなで喜ぶ
    →「できた!」を全員で祝うことで、本人もクラスも成長していく。

誰一人取り残さない教室へ

コミュニケーションが苦手な子への支援は、

先生一人で抱え込むのではなく、

クラス全体で取り組むことが大切です。

小さな成長を大切にし、

それを全員で喜び合うことで、

子どもは

「自分も仲間の一員なんだ」

と実感します。

「誰一人取り残さない」教室づくりは、

小さな一歩から始められます。

まずは本人の思いを聞いて、

クラスに共有するところから

始めてみませんか?

やってみよう!

例)「思いを聞くこと、大事だと感じました!」

例)「思いを共有すること挑戦してみます!」

画像をタップして入力してください↓
30秒で終わります!

公式LINEのトーク画面から
アウトプットをしてみてください!

すきま時間でできる内容なので
よかったら聞かせてください!
行動に移す習慣づけにも◎

最後まで読んでいただき
ありがとうございました!

ざっきー

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