①はじめに
「『◯ね!』と何度も言ったり、
中指を立ててくる子がいる…」
「その子の怒りに毎日振り回されて、
クラスの雰囲気まで悪くなる…」
担任をしていると、そんな
“怒りをコントロールできない子”
と向き合う場面は必ずありますよね。
正直、こちらの心も削られるし、
「どう対応すればいいんだろう…」
と悩んでしまうものです。
でも、そんな子でもクラスに馴染み、
安心できる居場所を作ることは可能です。
そのヒントになるのが
「アンガーマネジメント」
という考え方です。

②アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、
1970年代にアメリカで始まった
「怒りの感情と上手につきあうための
心理教育・トレーニング」です。
ポイントは3つ。
- 怒りは悪いものではない
怒りは人間にとって自然な感情。ただし「強すぎる怒り」や「不適切な表現方法」が問題を引き起こします。 - 6秒ルール
怒りのピークは6秒で過ぎるといわれています。まずは時間を稼ぎ、衝動的に動かない工夫をすることが大切です。 - 思考の転換
「〜すべき」という考えが強いと怒りやすくなります。「まあいいか」「こういう方法もあるよね」と考え方を柔軟にすることで怒りを和らげられます。

③教師としてできること
怒りをコントロールできない子と
関わるとき、
教師としてできる基本的な関わりは
以下のようなものです。
- 子どもの怒りを「悪い感情」と決めつけず、まずは 気持ちを受け止める
- 「やめなさい!」と感情的に返すのではなく、 冷静さを保って関わる
- 子どもにとっての「安心できる逃げ場」や「気持ちを整理する時間」を用意する
- 怒りの裏にある本当の気持ち(不安・寂しさ・承認欲求など)を探る
- 「怒らない子になる」ではなく、怒りを適切に表現できる子になることをゴールにする

④実際に私が行った実践
ここからは、
私自身が実際に行った取り組みです。
私のクラスには、
情緒クラスのAくんがいました。
- Aくんの特性は「◯ね」がとにかく多い。
- 勝ち負けにこだわり、体育の授業やクラスマッチで試合に負けたり、仲間が自分の思ったようなプレーをしてくれなかったとき、とことん暴言を吐きまくる。
- キレたら教室にあるものを投げたりはさみを持って追いかけたり、制止しようとした私のお腹を殴り続ける。
- 自分にとって嫌なことがあれば暴言をすぐに吐くので、当然、周りの子とのトラブルが絶えず、「あいつと一緒のクラス嫌です」という子が何人もいた。
- 相手がどんな気持ちなのかを想像することも苦手なので、「手伝って」と頼まれてもいない ことを自分がやりたいからと勝手にやったり、指導の時に「あの子はどんな気持ちになったと思う?」と尋ねても「知らん。」の一点張り。
- 教科の先生が気に食わないと教室から勝手に飛び出したり、、、
あげたらキリがありません。
そんな子が、中2の5月ごろを境に
トラブルが激減し、
2年生の秋から中3の夏まで、
生徒指導案件が0でした。
Aくんに行ったことは、
- とにかくその子の話を聞き、受け止めた
- クールダウンする方法を自分で選ばせ、できた時には目一杯褒めた
- 教師とクラスの子の「悪い子フィルター」を取り除いたこと
特に3つ目を行ったことが転機でした。

学年主任の先生に、
「あの子を観る目を変えてみると良いですよ」
と言われたことがきっかけです。
それを言われた当初は、
「クラスの子の不満を聞いて、
その子の暴れ方や今までの言動を
見たらそんなことできるわけがない」
と思っていました。
しかし、納得したのが、
知的クラスの子が、
みんなより勉強や運動が
苦手でも
「この子はこれが苦手だから
こんな支援をしよう」
と考えられるのに、
怒りのコントロールができない子
に対しては、
そのような支援の目で見ることが
できていないことに気がついたんです。

その時、その子は班長になっていましたが、
他の班長の子たちから
「あいつ班長にするの
今すぐやめたほうがいいです」
と言われたばかりだったんです。
そこで私は班長会議を開き、
班長の子たちに
次のようなことを話しました。
「(班長全員に対して)、Aが班長はやめたほうがいいという話が出ている。先生は、班長には完璧な姿は求めていない。誰にでも足りないものはあって、でもそんな自分の弱さと向き合いながら一生懸命班長の仕事を全うしようとする姿を他のクラスの子たちには見せてほしい。Aに関してもそう。班長として足りないところはたくさんある。でも、先生を含めてAを観る目を改めるべきだと思う。あなたたちと同じ基準でAを班長として見ていた。でも、Aが人間関係づくりで苦手なことがたくさんあることはここにいる全員が知っていること。それでも乗り越えようとAなりに必死に頑張ってるのは、ここにいるメンバーは認めてあげるべきだと思う。(Aに対して、)Aも、苦手なことがあるのはここにいる全員が知っている。だから、あなたにできることを一生懸命しなさい。あなたの苦手な部分は他の班のメンバーや他の班長たちが支えていくから。私は今まで通り、あなたに足りないところは指摘していく。今まではそこで反抗していたよね?でも、素直に受け止めることができれば、クラス全員があなたのことを認める。まずは素直になるところから始めよう。」
と伝えました。
かなりド直球に伝えていますが、
他の班長たちやその子との
関係がある程度できている上で
このような話をしました。

そこから、他の班長たちは
その子に対して優しい目で見るようになり、
小さな成長に子供たちが
気づけるようになりました。
また、Aくんも、
今まで指摘した時に反抗したり
無視したりしていたのが、
最初は怒り口調で
「ごめんなさい!!」
と言うようになりました。
その時の班長たちの表情は、
「ニコッ」としてました。
徐々にAの表情も柔らかくなり、
1ヶ月経たないうちに
ニヤッとしながら照れくさそうに
「ごめんね」
となぜかタメ口になりましたが、
愛嬌たっぷりの表情で
言えるようになりました。
その子の気持ちを受け止めて
関係を築いていくことと、
教師やクラスのフィルターを取り除き、
クラスみんなでその子の
小さな成長を見届ける雰囲気づくり
をしていったことで、
その子の
怒りのコントロールする力
が身に付いていきました。
あの子に必要なのは、
受容感でした。

⑤おわりに
怒りをコントロールできない子
に出会ったとき、
教師はつい「やめさせる」こと
に意識が向きがちです。
でも大切なのは、その子が
「怒りを抱えながらも、
安心して過ごせる場所を持てる」
ようにすること。
アンガーマネジメントの考え方と、
先生自身のクラスでの
実践を重ねていけば、
きっと子どもは
少しずつ変わっていきます。
「怒り」は成長の一部。
その子の感情を受け止めながら、
一緒に乗り越えていきましょう。
やってみよう!
例)「休み時間に仕事するのやめます!」
例)「教師の思い出突っ走ってました…」
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行動に移す習慣づけにも◎
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!
ざっきー
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